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図録『時代を映す仮名のかたち』釈文の修正案

出光美術館で開催中の展覧会「時代を映す仮名のかたち」の図録には図版の釈文が掲載されていますが、脱字や未読また誤読と思われるところが散見されました。単純なミス・勘違いの類いもある一方、検討の余地があるなと思わせるところもあり、見つけたものを指摘しておきます。あまりアテにはならないかもしれませんが。

()内の数字は指摘箇所の行数です。行数だと却ってわかりづらい場合は、別の方法を取っています。「→」の左がもとの釈文、右が修正案で赤字が修正箇所(衍字の場合は左に赤字)。その後に※に続けて注を書いたものがいくつかあります。改行位置を表す「/」の誤脱および、旧字新字などの字体の違い、濁点、くの字点をなぜか「++」と表記している箇所、図版に比べ釈文が足りないものなどについては除外しました。

3. 如意宝集切

(3)立つきしは → つきしは

4. 端白切

(3)ならぬをとりて → ならぬをりて

14. 石山切

(1)我身にしあれは → 我身にしあれ()
(6)よみてやりにける → よみてやれりける

15. 東大寺

(6)((心))いた((き))((た))((と))さく → いたきこ((と))さく

16. 倭漢朗詠抄 巻下

(慶賀)3行脱

29-2. 春日懐紙(重要文化財「春日懐紙」二五枚の内)

()隔海恋 → 隔海恋

30. 詠十首和歌

(実兼)寄人倫述懐すてられん/身は身をはなけかし → 寄人倫述懐すてられん身をはなけかし
(覚深・寄人事無常)なきはほくそ → なきはほくそ
(覚深・寄方角尺教)弥陀のみのりをこのむみは → 弥陀のみのりをのむみは

33. 高瀬切

(最終行)つかはしける → つかはし
※これ図版あってます?

34. 百首詠草断簡

(杜郭公)きゝすてゝえそ()やらぬ → きゝすてゝえそ()やらぬ
(夕立雲)うきたつ雲の → うきたつ ※「雲」の訂正線なし
()秋二十首 → 秋廿
(初秋夕)わきて身にしむ秋のゆふくれのそら → わきて身にしむ秋の(秋の(重書き))ゆふくれのそら
※「秋のゆふくれ」→「ゆふくれのそら」→「秋のゆふくれ」と推敲した痕跡
(里擣衣)あきは又(よもす(墨消))あきは又(よもすから)
※「(墨消)」と書かれているのは、ルビに訂正線を引けないソフトを使ったのだと思われます。このブログでは可能なので引きました。

35. 松木切

(最終行)身と/なりなめ → 身と/なりなめ

37. あがた切

(2)はるとやはみむ → はとやはみむ
(最終行)桜のこすゑそ→のこすゑそ

39. 嵯峨切

(1)春水→春
(4)呼沱→呼

40. 嵯峨切

(3)火足臘天□→火足臘天
(5)炭言/□事也→炭言/事也 ※晋書羊琇伝

61. 頓証寺法楽一日千首短冊残闕

(寄草恋)いつまてこのむ → いつまてのむ

62-1. 宸翰短冊帖

(尋野花)野へ分つゝ → 野へ分つゝ

63. 詠百首倭哥

(餘寒)春寒きしつかた山のしら雪を → 春寒きしつた山のしら雪を ※賤機山

64. 禁裏御会和歌

(77頁下段・第1首)春やくぬらん → 春やぬらん

74. 懐紙詠草

(9)また朝露のきえぬまに → また朝露のけたぬまに
※あるいは「けさ」でしょうか。何れにせよ意味上は「きえ」の方がいいのでしょうが。
(10)はなのさかのゝ秋の色はみましを → はなのさかのゝ秋(の色)はみましを
※「○」は挿入記号として使っています

76-9. 和歌懐紙

(夕鷹狩)くれはてにけり → はてにけり

76-11. 和歌懐紙

()君か経ん代を/師久免半動なき/岩のおひさき水の行すゑ → 君か経ん代の左/師久免半動なき/岩のおひさき水の行すゑ
※「左師久免半」で「差し汲めば」?

77. 慈鎮和尚三百年忌和歌短冊帖

(知法常無性)時しる雨の → 時しる

78-3. 連歌切 伝阿野季綱

(1)物あか□たるうたゝね床 → 物あかれなるうたゝね
(2)なき跡に猶たらちね□思らん → なき跡に猶たらちね思らん
(3)我□□のかはるとし/\ → 我□のかはるとし/\ ※1字読めず

78-6. 千載集切

(1)源仲正 → める 源仲正

78-8. 和歌一字抄切

(4)對水待月 藤基俊 → 對水待月(金) 藤基俊