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「写経―欣求と耽美―」展再訪

センチュリーミュージアムにて、3月26日(土)まで。前回の訪問記は、

「写経―欣求と耽美―」展@センチュリーミュージアム - ときかぬ記

3 菩薩念仏三昧経巻4(光明皇后発願一切経・五月一日経)

再見してもやはりこれはいいですね。で、なにがいいかというと、字配りが均等で横がビシっと揃っているんですよ。正倉院文書のなかに下纏と呼ばれる横方向に18本の線が引かれた紙が残っているのですが、それをしっかり使って丁寧に書写したのだろうと思います。こういうのは奈良写経で意外に少ないのです。筆者は特定できるのでしょうか?

4 註楞伽経断簡

註楞伽経の五月一日経本と伝魚養筆本 - ときかぬ記でも書きましたが、おそらく五月一日経本ではなく伝魚養筆本であろうと思います。天地化粧断ちかつ補修のため判然としませんが傷んでいる様子です。

6 阿毘達磨順正理論巻27(称徳天皇勅願一切経

前回「とすれば、この写経が本当に景雲経であるかは別に検討を要するでしょう」と書きましたが、景雲経に見えることは見えるんですよねえ。しかしなぜこういう状態になっているのか不思議です。

25 阿毘達磨蔵顕宗論巻4(法隆寺一切経

相変わらずかっこいいなあという印象ですが、そのかっこよさが平安初期写経のかっこよさに通ずるものがある気がします。奈良末期写経を通じて平安初期写経の魅力を再認識。

今回は、常設の仏像展示もじっくり拝見しまして、良品揃いですが強いて挙げるなら6木造地蔵菩薩立像10石造観音菩薩半跏像がお気に入り。前者は静謐で緊張感を湛える佳品。後者は柔らかさ慈悲深さを感じます。素材としては石の方が硬いのに、作品としては前者の方が堅固な印象が残っています。不思議な感じ。