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東博の中国の漆工展示(2016年1月から4月)

五島美術館で2014年10月25日から12月7日まで開かれた「存星―漆芸の彩り」展があまりに素晴らしくて、以来中国の漆芸作品とくに彫漆(彫彩漆)に興味津々なのですが、あまり見る機会がない、どこで拝見できるかわからないというわけで、さみしい思いをしています。唯一の例外が東博東洋館9室の中国の漆工展示。3ヶ月ほどの周期で展示替えを行いつつ、いつ行っても東博の所蔵品を見ることができます。そこで、せっかく古筆・古写経のために頻繁に東博に通っているのだから、こちらも記録を残しておこうと思った次第。「」に入れた引用はキャプションからのものです。

中国の漆工

東京国立博物館 - 展示 東洋館
東洋館 9室 2016年1月13日(水) ~ 2016年4月10日(日)

漆耳杯

1口|伝中国湖南省長沙出土|戦国時代・前5~3世紀|TJ-5664

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左の作品
C0045315 耳杯 - 東京国立博物館 画像検索

漆耳杯

1口|中国|前漢時代・前2~前1世紀|TJ-5665
上の写真右の作品
C0045317 耳杯 - 東京国立博物館 画像検索

漆盒

1合|中国|前漢後漢時代・前1~後2世紀|TJ-5657

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C0042666 漆盒 - 東京国立博物館 画像検索

夾紵(乾漆)。「針刻で雲気文、菱形文、櫛歯文などを飾っています。当時の人々が憧れた不老不死の神仙の世界を現したものなのでしょう。」

屈輪堆黒盆

1枚|中国|元時代・14世紀|TH-397

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屈輪堆黒合子

1合|中国|元時代・14世紀|TH-499

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楼閣人物堆朱合子

1合|「大明永楽年製」銘・中国|明時代・永楽年間(1403~24)|李経沢氏寄贈・TH-389

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C0004054 楼閣人物堆朱盒子 - 東京国立博物館 画像検索

龍鳳堆朱長方形箱

1合|「大明宣徳年製」銘・中国|明時代・宣徳年間(1426~35)|TH-489

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C0055594 龍鳳凰堆朱長方形箱 - 東京国立博物館 画像検索

吉祥文彫彩漆六角盆

1枚|「大明嘉靖年製」銘・中国|明時代・嘉靖年間(1522~66)|TH-473

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C0050958 歳寒三友彫彩漆六角盆「壽」 - 東京国立博物館 画像検索

中央「寿」を象る松、左右に竹梅、その下の花は何でしょうか? 周囲に龍。黒漆の上に朱漆を重ね彫った彫彩漆。

龍堆黄盆

1枚|「大明萬暦己丑年製」銘 ・中国|明時代・万暦17年(1589)|TH-382

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C0104518 龍堆黄盆 - 東京国立博物館 画像検索
C0003627 龍堆黄盆 - 東京国立博物館 画像検索

日本では朱漆を重ね塗りし彫ったのを堆朱、黒漆だと堆黒、黄漆だと堆黄と呼びます(中国ではそれぞれ剔紅、剔黒、剔黄)。堆黄の「遺例のほとんどが地を朱漆塗として、五爪の龍を表わした作品です。」

龍彫彩漆盆

1枚|「大明萬暦乙未年製」銘・中国|明時代・万暦23年(1595)|TH-486

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龍が吐いているのは「寿」字。朱黒黄の3色は使ってますが何層になっているのかはよく分かりません。彫彩漆で不思議なのは、浅く斜めに彫ってグラデーションを出すということをあまりやらないことです(「存星」展にはグラデーションの美しい作品も出ていましたが)。目当ての色までまっすぐ彫ってその色を出すんですよね。

九龍堆朱合子

1合|「大清乾隆年製」銘・中国|清時代・乾隆年間(1736~95)|TH-76-1

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C0030825 雲龍堆朱盒子 - 東京国立博物館 画像検索

ベースが黄で、黒漆らしき層も見えるので彫彩漆でもいいような気がしますが、朱メインなので堆朱扱いになるのでしょうか?

山水人物堆朱桃形合子

1合|「大清乾隆年製」銘・中国|清時代・乾隆年間(1736~95)|TH-504

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非常に発色のいい鮮やかな色合いが印象的な作品。大きくて形がおもしろく彫りも細かいので目立ちます。

双龍彫彩漆盆

1枚|「大清乾隆年製」銘・中国|清時代・乾隆年間(1736~95)|TH-474

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これもいいですよね。ぱっと見は朱と黒の対比で目を引くのですが、よく見ると黄の層が効果的に使われています。

雲龍填漆托

1個|「大清乾隆年製」銘・中国|清時代・乾隆年間(1736~95)|TH-505

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C0065269 雲龍填漆托(天目台) - 東京国立博物館 画像検索

童子存星方勝形合子

1合|「大清乾隆年製/萬代勝盒」銘・中国|清時代・乾隆年間(1736~95)|TH-35

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E0028350 童子存星方勝形合子 - 東京国立博物館 画像検索

「漆を塗った面に文様を彫って、そこへ別の色の漆を塗り込めて研ぎ出し、輪郭線や細線を鎗金で表わす技法を、日本では存星もしくは存清とよんでいます。広くは彫らずに上から色漆で描いたものや、輪郭線を鎗金ではなく線彫りのままとしたものも含みます。」

存星は填漆(または漆絵)と鎗金(沈金)が併用されたものと東博は定義しているようです。この定義が一般的なものですが(ぞんせい【存星/存清】の意味 - 国語辞書 - goo辞書)、それだと存星として伝わるものの多くが当てはまらないよね、じゃあ存星って何なの? というのが「存星」展のテーマでした。