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フリーア・サックラーギャラリーの金銀交書法華経断簡と装飾法華経断簡

フリーア・サックラーギャラリーの写経 - ときかぬ記」で取り上げた写経のうち2点についての補足です。

Segment of a sutra from Mount Koya

http://www.asia.si.edu/collections/edan/object.cfm?q=fsg_F2014.6.17a-d

紺紙金銀交書法華経断簡。序品第一。

「"from Mount Koya"すなわち高野山伝来の金銀交書経とえば中尊寺経? もう少し時代が遡るもののような気がしないでもありません。」と前回は書いたものです。先日これのツレの断簡と思しきものを、センチュリー文化財団のサイトで見つけました。

http://www.ccf.or.jp/jp/04collection/item_view.cfm?P_no=1262

白黒画像で分かりにくいですが、右クリックで拡大でき、比べると字形はそっくりです。ちなみにフリーア断簡に後接します。直後の断簡。

解説には「その書風から推して、平安時代中期(11世紀)のものと考えられる」とあります。やはり中尊寺経ではなく、もっと時代の遡った遺品のようです。"from Mount Koya"を信じるなら、中尊寺経とは別にこの紺紙金銀交書法華経高野山にあったと考えられますが、要確認。

また、更に「五島美術館所蔵の巻第二と僚巻をなしていたものの断簡と思われる」とも。この五島の巻第二は展覧会図録『久能寺経と古経楼』(五島美術館、1991年、NDL search)の108頁に掲載されています。伝道風筆。写りの関係からか色味がだいぶ違い、またそれほど大きい画像でもないので字の比較も難しく、また巻が違えば筆者が違ってもおかしくはないので、僚巻か否かはこれだけでは判別は難しいところです。並べて展示していただければわかるかもといったところでしょうか。

また、109頁には個人蔵の掛幅が2点掲載されています。図録ではともに巻第一の断簡としていますが、図版を見る限り片方は法師功徳品つまり巻第六断簡です。もう1つは巻第一の巻末断簡。図版だけではなんとも言えませんが、この巻末断簡はフリーアやセンチュリーのツレの可能性が高いのではないでしょうか。

Section of "The Former Affairs of the Bodhisattva Medicine King," Chapter 23 of the Lotus Sutra

http://www.asia.si.edu/collections/edan/object.cfm?q=fsg_F2014.6.5

装飾法華経断簡。薬王品第二十三。

北村美術館にツレがあるという話は前回しましたが、ハーバード美術館に巻末断簡が所蔵されており、画像が公開されていましたのでリンクを貼っておきます。

http://www.harvardartmuseums.org/collections/object/303456

なおこの装飾経は、おおきな裂箔に目が行きがちですが、天地に緑青などで彩色された蓮華などが描かれており、その愛らしい絵も見どころのひとつです。