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伝俊頼筆「大字切」

先日、e国宝で月台をみていたところ、「大字切」というのに目が止まりました。

手鑑「月台」 大字切 - e国宝

豪快というか奔放な筆跡でなかなか魅力的。というわけで、古筆学大成を見てみたら、びっくりしました。

これ、羅文紙の断簡があるんですよ。

羅文紙の遺品は筋切、高光集切、西本願寺本三十六人家集(および羅文飛雲紙の法輪寺切)以上終り、だと思っていたのですが、他にもあったんですね。

『古筆学大成14』の「23 伝源俊頼筆 大字和漢朗詠集切」に図版が掲載されているのは以下のわずか6葉です。

  1. 大東急記念文庫蔵、手鑑(鴻池家旧蔵)所収。3行。羅文紙。複製本あります。
  2. 同所収。6行。
  3. 出光美術館蔵、手鑑「見ぬ世の友」所収。3行(別の1行と2行の取り合わせ)。1行の方は羅文紙。複製本あります。あと蔵品図録にも載っているようです。
  4. 個人蔵。3行(別の1行と2行の取り合わせ)。1行の方は羅文紙。極札、初代了佐「佐理卿」、9代了意「参議佐理卿」。
  5. 「書苑」四-一(法書会、1914)および「夏かげ帖」(敬和会、1926)所載*1。9行。後半羅文紙。「国立国会図書館デジタルコレクション - 夏かげ. 下
  6. 東京国立博物館蔵、手鑑「月台」所収。4行。「手鑑「月台」 大字切 - e国宝」(再掲)。

解説には

豪放闊達、というよりも、むしろ、酒気を帯びて興の赴くままに、一気呵成に筆をはしらせた、とでもいうべきか。
(略)
書写形式が自由奔放、興にまかせて執り上げた筆で、脳裏に記憶している詩歌を、随意に揮毫していった、というものではないか。

とありました。

羅文紙の断簡の実物見たいなあ。一番可能性があるのは「見ぬ世の友」だと思いますが、これちょっと状態がわるい。大東急記念文庫の断簡2葉は貼られている場所の関係で展示されなそうなんですよねえ、残念。展示頻度が高く貼られている場所もいい「月台」の断簡は羅文紙じゃないし。ままならん世の中です。

*1:所蔵は記載せず。学大成図版は、「書苑」か「夏かげ帖」のものの転載でしょうか。