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九品仏東門扁額

先日、紅葉狩りに九品仏を訪れた際、東門に掛かる扁額を目にしました。読めない。。。というわけで、僅かに読めるところを手がかりに調べてみると、どうやら四天王寺の石鳥居に掛かる扁額と文言および筆跡が同じものですね。字配りと扁額のデザインは異なり…

「時代を映す仮名のかたち」展@出光美術館 再訪

前回訪れたときはよく分からずあまり楽しめなかったので、図録で勉強してからまた訪れました。前回よりはだいぶマシでしたけど、やはり中世の書・和歌・歴史について決定的に知識が欠けているなあと。とりあえずは、以下記録用にいくつか気づいた些事を。 13…

註楞伽経の五月一日経本と伝魚養筆本(続)

「註楞伽経の五月一日経本と伝魚養筆本 - ときかぬ記」の続きです。この時言い忘れていましたが、「五月一日経本」と「伝魚養筆本」という名称は私が勝手に呼んでいるだけで、一般的な用語ではないのでご注意ください。さて、上の記事を書いた当時は五月一日…

雲紙経と金銀交書経

某所で写経を拝見してきました。公開されている展覧会なので隠す必要もないでしょうが、なんとなくボカしておきます。私のような育ちの悪い貧乏人には居づらさを感じてしまうところであり、長居できずじっくり見れなかったのが心残り。すべて掛幅です。泉福…

実兼の歌がおもしろそうなんだけど、いまひとつ理解できない

出光美術館で開催中「時代を映す仮名のかたち」展に出ている詠十首和歌(宮内庁書陵部蔵)の西園寺実兼の歌におもしろそうなのが3首あるのですが、いまひとつ歌意がとれずもどかしい思いをしております。とりあえず書き出して、現時点での考えを記しておこう…

図録『時代を映す仮名のかたち』釈文の修正案

出光美術館で開催中の展覧会「時代を映す仮名のかたち」の図録には図版の釈文が掲載されていますが、脱字や未読また誤読と思われるところが散見されました。単純なミス・勘違いの類いもある一方、検討の余地があるなと思わせるところもあり、見つけたものを…

「時代を映す仮名のかたち」展@出光美術館

中世古筆を中心とした展示で、会場内の解説が少なくなかなか難しい展覧会でした。図録読んで勉強してまたうかがおうかと思いますが、その前に簡単に平安古筆の一章のみについて簡単にいくつかのことを。 1. 高野切 この展覧会では高野切の展示は2葉で、この…

「日本書道文化の伝統と継承」展@帝京大学総合博物館

うかがってからだいぶ間が空いてしまいましたが、まだ開催中ということもあり、記録を残しておこうかと。もう1度くらい行くかもしれませんし。相変わらず、愚にもつかない話を。なお、この展覧会では近世や近現代の書も展示されていますが、ここでは「第一章…

平安古筆の名品展@五島美術館

せっかくいい展覧会にうかがったので、取るに足らないものですが、感想などを残しておこうかと。 Ⅰ 仮名の成立から典型へ 1. 綾地歌切 草仮名の遺品。古筆学大成25の未詳歌集②伝藤原佐理筆綾本未詳歌集切に当たるものです。①の伝なしの方の綾地歌切(賀歌切…

東博の古筆・古写経展示(2016年6月から8月)

仏教の興隆―飛鳥・奈良 東京国立博物館 - 展示 日本美術(本館) 仏教の興隆―飛鳥・奈良 作品リスト 本館 1室 2016年6月21日(火) ~ 2016年8月7日(日) 四分戒本并序 1巻|奈良時代・神護景雲2年(768)|堀達氏寄贈・B-2395 C0059158 四分戒本並序 - 東京…

奈良時代の「冊子」

杉本一樹さんの「正倉院の古文書」(『日本の美術』440号、至文堂、2003年、NDLサーチ)72ページに、興味深い形態の正倉院文書の写真が掲載されていました。なお図版の転載はしません。この文書は継紙ではなく、冊子状に束ねて綴じています(綴じは左側)。…

細字法華経の「其不在此会」の「会」字と「歓喜未曾有」の「有」字

現在、東博の法隆寺宝物館にて、国宝の細字法華経(法隆寺献納宝物)が展示されております。私はまだ見に行っていないんですけどね。これは、前回の展示の時の写真です。前回同様、この写経の入れ物である経筒も一緒に展示されているようです。写経のほうが…

水で文字を消す

筆と墨で文字を書いていた昔、間違えたときなど訂正の必要がある場合には、もとの文字を消す(消したことにする)のにいくつかの方法がありました。例えば、ある程度厚さのある紙であれば擦消と言って紙ごと削るという手があり、また見せ消ちと言って抹消記…

所在不明の重文写経・版経

5月13日に文化庁から「国指定文化財(美術工芸品)の所在確認の現況について」が発表されました。www.bunka.go.jpここに掲載された「所在不明の国指定文化財(美術工芸品)一覧」(PDF)は情報が少なく、これだけでは具体的に何であるかわからなかったので、…

東博の古筆・古写経展示(2016年5月から6月)

仏教の興隆―飛鳥・奈良 東京国立博物館 - 展示 日本美術(本館) 仏教の興隆―飛鳥・奈良 作品リスト 本館 1室 2016年5月17日(火) ~ 2016年6月19日(日) 瑜伽師地論 巻第四十八(行信願経) 1巻|奈良時代・神護景雲元年(767)|千葉・円福寺蔵前回の展示…

\大洋優勝/

ここに書く話なのかという疑問もありますが、年に何回あるんだって試合にあたったので。ヒーローはもちろんサヨナラタイムリーの倉本と同点2ランのゾノですけど、個人的に印象に残っているのが1回裏のタケヒロのヒット。いきなり3点とられてまずいなあと思い…

@nosuke_pooh さんの連ツイに対するご返答

Tweets with replies by ク (@nosuke_pooh) | Twitterさんによる、私の「http://ouix.hatenablog.com/entry/20160509/1462728365」を受けての連ツイがありました。それに対してご返答します。まず最初に、こちらの方こそ、言及しておきながらお伝えせずに失…

最近行った展覧会(で見た作品)の気になったことなどを粗々と

恋歌の筆のあと@五島美(終了)。筆陣毫戦の真名序切(伝佐理)。『五島美術館の名品【絵画と書】』で「江戸時代」ですが、『やまとうたの一千年』では平安時代とし、 大字で書写した『古今和歌集』「真名序」の部分。もとはどのような書写本であったのか不…

「しん板なぞなぞ双六」の謎かけ読解の一例

以前、くずし字アプリKuLAにも収録されている「しん板なぞなぞ双六」について取り上げたことがありました。ouix.hatenablog.com先日、いくつかの謎かけについて、ざあさんという方にコメントで解説していただきました。そのうちの1つがちょっとおもしろいも…

伝称筆者についての前の記事に対する反応へのレス

ouix.hatenablog.com先日の記事でいくつは反応をいただきました。ありがとうございます。見つけた範囲でレスします。まずは、ツイッター。@kasamashoin 伝えられる筆者と真の筆者が筆からして同一だと思うんだけど、客観的な決め手がないから「伝」つけざる…

作者の欄に「伝○○」(伝称筆者)を書くべきではないと思う

三菱一号館美術館の館長である高橋朋也さんの『美術館の舞台裏』(ちくま新書、2015)に次のような一節があります。美術館の舞台裏: 魅せる展覧会を作るには (ちくま新書)作者: 高橋明也出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/12/08メディア: 新書この商品…

七夕契久和歌懐紙 後醍醐天皇筆

画像は「国立国会図書館デジタルコレクション - 宸翰英華. 乾」から。ただしNDLデジコレの画像は2枚に分けて撮影したもので、それをこちらで継ぎ合わせたものです。4行目と5行目の間にうっすらとみえる筋がその継目。正中2年7月7日に開かれた後醍醐天皇主催…

「よみがえる仏の美」展@静嘉堂文庫美術館

静嘉堂文庫美術館で開催中の「よみがえる仏の美」展に行ってきました。いろいろ素晴らしい作品が出陳されていますが、目当ては古写経です。 2. 大般若経巻245(和銅経) 展示は巻頭。折本、5行1折。虫損多し。太平寺旧蔵か。 大般若波羅蜜多経巻苐二百卌五 …

東博の中国の漆工展示(2016年4月から7月)

「東博の中国の漆工展示(2016年1月から4月) - ときかぬ記」に続いて2回目。 中国の漆工 東京国立博物館 - 展示 アジアギャラリー(東洋館) 中国の漆工 作品リスト 東洋館 9室 2016年4月12日(火) ~ 2016年7月10日(日) 花鳥堆黒長方盆 1枚|中国|南宋…

東博の古筆・古写経展示(2016年4月から5月)

仏教の興隆―飛鳥・奈良 東京国立博物館 - 展示 日本美術(本館) 仏教の興隆―飛鳥・奈良 作品リスト 本館 1室 2016年4月12日(火) ~ 2016年5月15日(日) 大般若経 巻第三百二十九(薬師寺経) 重文|1巻|奈良時代・8世紀|奈良・薬師寺蔵撮影禁止でした…

民部切は江戸時代?

聚美 Vol.19 (Gakken Mook)作者: 聚美社出版社/メーカー: 学研マーケティング発売日: 2016/04/05メディア: ムックこの商品を含むブログを見る『聚美』最新号入手しました。池田和臣さんの連載「続 最新科学で書を鑑定する」、今回は「伝源俊頼筆「民部切古今…

東博に行ってきました

庭園を一番の目当てで行ったのですが、天候不順で本日は開放中止。いつもタイミングが悪くて、今まで1度しか入ったことがないんですよね。残念。 伝源俊頼筆 拾遺抄切(B-2936)@本館特別1室(東京国立博物館コレクションの保存と修理) 2016年3月15日(火)…

法隆寺の所蔵する行信願経

2月に奈良に旅行した際、法隆寺大宝蔵院にて行信願経を拝見しました。「奈良旅行中に見た写経について - ときかぬ記」にも書いた通り、展示されていたのは大般若経巻293。後日、田中塊堂さんの『日本古写経現存目録』(思文閣、1973年、NDLサーチ)を確認す…

紙背の文字を手本にした手習い

野尻忠さんの「続修正倉院古文書第五巻の習書-写経所文書の表裏関係-」(『鹿園雑集』11号(2009年)所収)に興味深い習書の例が紹介されていました。取り上げているのは続修正倉院古文書第5巻のうちの3紙(習書があるのはそのうちの1紙)。正倉院文書は多…

「写経―欣求と耽美―」展再訪

センチュリーミュージアムにて、3月26日(土)まで。前回の訪問記は、「写経―欣求と耽美―」展@センチュリーミュージアム - ときかぬ記 3 菩薩念仏三昧経巻4(光明皇后発願一切経・五月一日経) 再見してもやはりこれはいいですね。で、なにがいいかというと…

東博の古筆・古写経展示(2016年3月から4月)

いまは上野に行っても東博に寄る暇はなさそうですけれども。 仏教の興隆―飛鳥・奈良 東京国立博物館 - 展示 日本美術(本館) 仏教の興隆―飛鳥・奈良 作品リスト 本館 1室 2016年3月1日(火) ~ 2016年4月10日(日) 報恩経 1巻|伝魚養筆|奈良時代・8世紀…

「しん板なぞなぞ双六」の謎かけがよくわからない

くずし字学習支援アプリKuLAYuta Hashimoto教育無料くずし字学習支援アプリKuLAには、「よむ」という項に、読解訓練として3点の作品が掲載されています。その1つである「しん板なぞなぞ双六」は、双六の各マスに謎かけが書かれているものですが、読んでみる…

奈良旅行で印象に残ったことをいくつか

多聞城跡から大仏殿を望む 正倉院正倉と聖語蔵 3泊4日の奈良旅行、1番は正倉院の正倉でしたね。あまりによくて2度足を運んでしまいました。装飾のない単なる木造の倉庫なんですけど、ここで正倉院宝物が1000年以上に渡って保管されたのだと思うとグッとくる…

奈良旅行中に見た写経について

今回の奈良旅行で拝見した写経についてです。大和文華館と帰りによったあべのハルカス美術館で拝見した分については既に触れたので省略します。 「東大寺の歴史と美術」展@東大寺ミュージアム 紺紙銀字華厳経(二月堂焼経) 1巻|紺紙銀字|奈良時代・8世紀 …

「仏教の箱-荘厳された東アジアの容れもの」展@大和文華館

特別企画展 仏教の箱-荘厳された東アジアの容れもの|大和文華館奈良旅行中、大和文華館にも立ち寄りました。良品や興味深い作品が多く出ている展覧会でお勧めなのですが、残念ながら本日最終日。1 舎利容器 中国・唐。泉屋博古館蔵。金銅棺、金銅槨、石函…

「長谷寺の名宝と十一面観音の信仰」展@あべのハルカス美術館

大阪・あべのハルカス美術館で開催中の「長谷寺の名宝と十一面観音の信仰」展に行ってきました。いくつか興味をひかれたものを。1 難陀龍王立像 2 雨宝童子立像 今回の目玉。ポスターにも写真が使われています。しかし、このポスターの写真には魅力を感じま…

「書の流儀」展に出ていた鏡文字・逆さ文字

出光美術館で開催中の「書の流儀」展に鏡文字・逆さ文字を含む作品が1点出ていました。センチュリー文化財団所蔵の伝尊円親王筆「天神名号」。センチュリー文化財団のサイトで画像が公開されています。http://www.ccf.or.jp/jp/04collection/item_view.cfm?P…

e国宝の便利な機能に今さら気づきました

e国宝って表示される画像すべてにURLが設定されるのですね。知らなかった。。。今までかんばって○○コマ目だとかこのあたりだとか言葉で説明してきたのに、リンク貼れば一発じゃないですか。たとえば「元永本にも猿はいます - ときかぬ記」で取り上げた「猿子…

東博の中国の漆工展示(2016年1月から4月)

五島美術館で2014年10月25日から12月7日まで開かれた「存星―漆芸の彩り」展があまりに素晴らしくて、以来中国の漆芸作品とくに彫漆(彫彩漆)に興味津々なのですが、あまり見る機会がない、どこで拝見できるかわからないというわけで、さみしい思いをしてい…

源氏物語が書かれた頃の仮名と製本

池田和臣さんの連載再開ということで『聚美』最新号(Vol.18)を買ってきました。shubisha.co.jp 聚美 vol.18(2016 WIN 特集:富士山出版社/メーカー: 聚美社発売日: 2016/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る〈続 最新科学で書を鑑定する〉伝藤原…

註楞伽経の五月一日経本と伝魚養筆本

楞伽阿跋多羅宝経の智厳注いわゆる註楞伽経の奈良時代の有名な写本が2本伝わっていますが、若干混乱が見られるため整理しておきます。なお小林強さんの『出典判明仏書・経切一覧稿』*1(以下『一覧稿』)p10-11に大きく依ります。五月一日経本の方は小さい図…

東博の古筆・古写経展示(2016年1月から2月)

仏教の興隆―飛鳥・奈良 東京国立博物館 - 展示 日本美術(本館) 仏教の興隆―飛鳥・奈良 作品リスト 本館 1室 2016年1月19日(火) ~ 2016年2月28日(日) 大智度経巻第七十五(石山寺一切経) 1巻|奈良時代・天平6年(734)|千葉・円福寺蔵 天平六年歳次…

得無垢女経(五月一日経)巻頭の変なところ

五島美術館の所蔵する五月一日経のひとつ「得無垢女経」が、公式サイトのコレクションのページで紹介されています。http://www.gotoh-museum.or.jp/collection/col_09/08167_395.html掲載されている画像は巻頭部分ですが、この巻頭部分には変なところが3つあ…

「写経―欣求と耽美―」展@センチュリーミュージアム

センチュリーミュージアムの館蔵写経展に行ってまいりました。センチュリーミュージアムの写経コレクションいいですね。サイトの収蔵品データベースで以前から見ていましたが、今回初めて実物を拝見して良さを再認識しました。すばらしい。 1 賢愚経断簡(大…

『古筆資料の発掘と研究 : 残簡集録散りぬるを』

池田和臣さんの『古筆資料の発掘と研究 : 残簡集録散りぬるを』(青簡舎、2014年9月、NDLサーチ)をいま読んでいるのですが、これがすこぶる面白い。古筆資料の発掘と研究―残簡集録散りぬるを作者: 池田和臣出版社/メーカー: 青簡舎発売日: 2014/09メディア:…

ハーバード・アート・ミュージアムの日本写経

www.harvardartmuseums.orgハーバード・アート・ミュージアムのサイトで紹介されている日本写経です。版経は除いています。奈良、平安(紺紙経とその他に分ける)、鎌倉・室町、江戸に分け、その中では時代順にはこだわらずに配列しました。不明なものも多く…

元永本にも猿はいます

来年は申年ということで、東博では1月2日から「東京国立博物館 - 展示 日本美術(本館) 博物館に初もうで 猿の楽園」という企画展示をするそうです(本館 特別1室・特別2室)。東博所蔵品また寄託品のなかから猿を表現したものを集めたもので、展示リストを…

法華経普門品(徳川美術館蔵)

サントリー美術館の「水 神秘のかたち」展に徳川美術館所蔵の重文「法華経普門品」がでてます(1月4日まで)。はじめて拝見しますが、すばらしい装飾経でした、おすすめです。ネット上では文化遺産オンラインで解説と画像が見れます。法華経普門品 文化遺産…

『中世パリの装飾写本』に取り上げられた写本の画像へのリンク

中世パリの装飾写本 ―書物と読者作者: 前川久美子出版社/メーカー: 工作舎発売日: 2015/06/30メディア: 単行本この商品を含むブログを見る前川久美子さんの『中世パリの装飾写本』(工作舎、2015年)に取り上げられた写本の画像へのリンクです。写本名、所蔵…

東博の古筆・古写経展示(2015年12月から2016年1月)

正門左手のメタセコイアとイチョウがきれいに色づいていました。 仏教の興隆―飛鳥・奈良 東京国立博物館 - 展示 日本美術(本館) 仏教の興隆―飛鳥・奈良 作品リスト 本館1室 2015年2月8日(火)~2016年1月17日(日) 大般若経(和銅五年十一月十五日長屋王…